「統合心理学(サイコシンセシス)」から見るクラニオセイクラルバイオダイナミクスの長所・特徴とは?
地下室も3階(高次)も扱う統合心理学「サイコシンセシス」
サイコシンセシス(精神統合)とは、イタリアの精神科医ロベルト・アサジオリが提唱した心理学です。
アサジオリは、フロイトやユングの同僚だった人であるのですが、彼はシャドウを解消することだけがクライアントの問題を解決するわけではないと考えませんでした。
人間を「家」と例えたとして、地下室がシャドウやトラウマが眠る場所、1階は身体、2階はマインド、3階はスピリットになっているとします。当時の心理学や心理療法では、地下室にあるシャドウを掘り当てることにフォーカスし、フロイトは精神分析で、ユングは夢や無意識でそれをしていました。
そのようななかで、アサジオリは、地下室を掘り当てることは重要だけれど、家の上階にある光・リソース・高次の意識にもフォーカスする重要性も提唱したのです。
光・リソース・高次の意識とは、その人(クライアント)が持つ力、長所、人生で達成したいことなど。要は、ネガティブな部分だけでなく、ポジティブな面にもフォーカスし、統合していくことを目指したのです。
プラスに向かう力がマイナスをゼロにする推進力になる
私がよくクライアントさんにときどきお伝えしていることがあります。
こころの傷を解消して生きやすくなりたいのなら、シャドウやトラウマを解消することは大事だけれど、同時に、自分がやりたいことに取り組む、という重要性です。
よく、「カウンセリングは、マイナスからゼロにするもの」「コーチングは、ゼロをプラスにするもの」と言われます。
しかし、マイナスをゼロにするのはなかなかしんどかったりします。自分の見たくないものに対峙しなければならないからです。
そのような難しい作業には長い時間がかかり、クライアントにもセラピストにも負担がかかり、疲弊することもあります。シャドウを扱うセラピストさん、カウンセラーさんは本当に素晴らしいのですが、体調を崩す方が一定数いらっしゃるようにも感じます。
サイコシンセシスは日本であまり知られていませんが、のちのトランスパーソナル心理学の考えとも近く、最近注目されているIFS(内的家族システム療法)にも大きな影響を与えています。Somatic Experiecingでリソースとトラウマを行ったり来たりする技法(ペンデュレーション)も考え方としては近いのかな、と個人的には思っています。
セラピー選びの1基準:リソースも扱うシャドウワークであるか
というわけで、トラウマワークやシャドウワークに取り組む上で、「リソースワーク」(私の勝手な造語です)も取り入れていただくと、癒しのプロセスがぐんと進みやすくなります。
リソースワークとは、
・クラニオセイクラルバイオダイナミクスやタッチケアなどの心身が心地よいと感じられるワークのほか、
・推し活
・旅行やおいしいものを食べる。ペットと触れ合う。
・美容やファッションなど自己肯定力が上がるもの
なども当てはまります。
以前、ソマティック心理学の第一人者である久保隆司先生から教わったのは、
「光が相対的に大きくなれば、闇は相対的に小さくなる」
ということでした。
言われてみれば当たり前なのですが、実際に私自身もシャドウに向き合う中で、楽しいことやあたたかいもの、幸せなことが増えるほど、余裕をもってそれに向き合えるということを実感しました。
例えば、箱庭療法であれば、受けること自体が楽しいですし(ほぼ遊びのようなものなので)、箱庭を創造するプロセスだけで癒されるところがあります。
セラピー選びの基準として、そのセラピーが「シャドウだけでなく、リソースも扱っているか?」という視点で探してみてもいいかもしれません。
ちなみに、クラニオバイオは、家の3階にフォーカスし、光(リソース)を増やしながらも、同時にその光が地下室まで届き、シャドウも溶かす力があるように思います。
家の1階(身体)が整い、2階(マインド)も1階と3階の影響を受けてサブパーソナリティーのごちゃごちゃが鎮まり、3階からの光が地下室にも届きやすくなる…そんなイメージです。
一方向ではなく、身体→こころ スピリット→こころとシャドウ といった具合に、多方面からさまざまなルートで心身が整っていく。
非線形にプロセスが進み、心身が癒され、健やかになっていく。それがクラニオバイオの魅力なのかなあと思っています。
